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日本伝統の在来軸組工法にこだわり、県産木材を使用した人と地球にやさしい家づくりをすすめています。
県建築大工業協会(齋藤守司会長)は17日、郡山女子大学と共同で木材加工ワークショップを開いた。
同大学家政学部人間生活学科建築デザインコースの阿部恵利子准教授と学生22人が、ノコギリやノミなど大工道具を使ったヒノキの小屋組み造りに挑戦したほか、木の特性をテーマにしたワークショップも行い、木造建築について理解を深めるとともに伝統的な加工技術「手刻み」によるものづくりの楽しさを学んだ。
郡山市開成の同大学キャンパスで開いた。県の森林自己学習支援事業を活用した同大学の「女子大学生と職人さんがコラボ〇秘の技術・知識を未来へ届けるプロジェクト」の一環で行った。プロジェクトは本県産材の使用状況と特性、伝統的な建築技法などを学んで木造建築の魅力を伝えるとともに木造建築に関する知識と技術の継承、県産材の利用促進につなげることなどが目的。若年者の入職促進に取り組んでいる協会が協力して実現した。
8月には第1弾として、協会員の自社山林と加工工場の見学会を開き、伐採した丸太が建築部材になるまでの過程などを学んだ。
今回は2部構成で開き、協会からは齋藤会長、塩田一弥副会長、八木澤希代治専務理事ら8人が参加した。第1部では協会青年部の大橋祐一部長と伊藤大輔副部長が講師を務め、耐久性や耐火性、加工性など鉄筋コンクリートおよび鉄骨造との比較、木造のメリットとデメリットから木造建築の可能性、空家リノベーションなどについて講演した。
協会副会長も務める大橋部長は「大工の仕事も女性の感性が必要。建物を造る時には将来のメンテナンスを考えた設計が大切」などと話した。また模型を使って仕口と継手の技術も教えた。
第2部は小屋組み造りで、学生たちは協会員の助言を受けながらノコギリとノミを使った木材加工と建て方に挑戦。およそ2時間でヒノキ造りの小屋組み(一部スギ材使用)を完成させた。
学生たちは「線の通りにノコギリを真っ直ぐひくのが難しかった」「加工から継手まで重要な技術を体験することができた。
これからも木造建築の素晴らしさや面白さを伝えていきたい」などと話していた。
福島建設工業新聞 9月20日掲載記事